実体験から語る「うつ病の症状」

家庭

「うつ病」。それは気分障害の分類に含まれる、気分障害の一つ。
現在、日本では約400万人以上の人が、うつ病をはじめとする精神疾患を抱えているといわれています。
私もその400万人の中の1人です。

病院で診断されるまでは、自身が発症しているとは思わなかったうつ病。
心の病気は目に見えてわかるものではないため、本当はうつ病なのにそれに気づかず、無理をして頑張り続けている人は多いのではないでしょうか。

ここでは、私が病院受診をするまでに発症していた症状を紹介いたします。
これを読んで少しでも「今の自分はもしかしたらうつ病なのかもしれない」と、気づくきっかけになってくれればと思います。

私が体験した症状は、主に以下の通りです。

  • 睡眠障害を起こす
  • 下痢、吐き気
  • 集中力の低下(細かいミス、不注意が増える)
  • 気分が落ち込む、何も楽しめなくなる
  • 意欲の低下、思考の停止
  • 自責の念
  • 涙もろくなる
  • 死にたい、消えてなくなりたいと考える

では、それぞれ解説していきます。

睡眠障害を起こす

1つ目は、「睡眠障害を起こす」です。

私の場合は、布団に入ってからなかなか寝付けない眠りが浅い夜中に何回か目が覚める朝起きられない、等の症状が出ておりました。

寝付きが悪いのは典型的な症状で、寝ようとすると不安な考えが頭をぐるぐる回って、眠たいのに眠れない状態です。そのため、私は毎日お酒を飲まないと眠れない状態でした。

眠りが浅いは、寝ている間にずっと夢を見ている状態です。
また、眠りが浅いため夜中に目が覚めてしまい、不安な考えが頭をめぐってまた眠れなくなるといった、負のスパイラルに陥っていました。

このように眠れない、眠りが浅い状態が続いていたため、疲れがとれておらず、朝なかなか起きられないという状態にもなっておりました。
また、眠れているかは別として、睡眠時間自体は十分取っているつもりなのに朝なかなか起きられないことが、自責の念にもつながってしまっていたのです。

下痢、吐き気

私は、毎朝外出する前に大便をするタイプの人間なのですが、この時期はほとんど毎日下痢が出ておりました。

また、仕事に行く前や不安な気持ちになった時は、胸に突っかかりができたような感覚となり、呼吸がしづらくなり、嘔吐き、吐き気を催すようになっておりました。

これらの症状は日常生活に大きく支障が出ているわけではなかったため、私は正直あまり気にとめて降りませんでした。しかし、精神的に安定していた頃には全くなかったことなので、これらもやはりうつ病状態だからこその症状だったと思います。

集中力の低下(細かいミス、不注意が増える)

仕事で作る資料に誤字脱字が増える。外出時財布や鍵を忘れる。扉を開けっぱなし、電気をつけっぱなしにしてしまう。車の運転が危なっかしくなる。人の話を最後まで聞けなくなる。
おおよそこのようなミス・不注意が頻発するようになりました。

日頃からおっちょこちょいでよくそういったミスをする人もいるかもしれませんが、うつ状態だと、その頻度が増えたり、程度が激しくなったりしてしまいます。

私は元から不注意なところがある方の人間なのですが、その頻度と程度が大きくなったのです。

例えば資料作成なども、たまに誤字脱字がある程度だったものが、作る資料に必ず誤字脱字が入るようになりました。

気分が落ち込む、何も楽しめなくなる

一日中気分が落ち込みうまく笑えなくなったり、今まで楽しめていたことが全く楽しいと感じないようにもなりました。

私は、テレビのバラエティ番組が好きでよく見ていたのですが、うつ状態の時は全く見る気も起きず、見ても面白いと感じなくなっておりました。

あとは家族で行くおでかけ。前までは、休日のお出かけが楽しく、それでリフレッシュして仕事にも前向きになれていたのですが、うつ状態ではそれも楽しめず、むしろ疲れるだけだと感じてしまっていました。

意欲の低下、思考の停止

意欲の低下は、先ほどの何も楽しめなくなると似ているところがありますが、何もしたいと思えなくなってしまうことです。

以前は、休日は活発に外に出かけていたのですが、この頃は何もする気が起きず、休日は家に引きこもりがちになりました。

また、思考の停止は、仕事中に何をしていいかわからなくなってしまう状態です。
一つの業務に対して、それをどういうプロセスで行えばいいのかや、ある問題に対してどう対処していいかを考えるとピタッと思考が停止してしまうのです。
ひどいときには、今まで普通にできていたルーティン業務までどうしていいかわからなくなってしまうこともありました。

さらに、意欲の低下と思考が停止して考えられなくなってしまうことが原因で、やらなければならいことを先伸ばしにして取り組みきれず、仕事がどんどんたまってしまうようになってしまったのです。

自責の念

自責の念。これが私にとって、最もやっかいな症状でした。

これまでのいつもと違う自分の状態に対して、「なんで自分はこんなこともできないんだ」と感じ、自分を責めるようになってしまったのです。

夜早く寝ているのに朝起きられない自分に対して。
簡単なミスを頻発してしまう自分に対して。
家族と一緒に出かけているのに楽しみ切れていない自分に対して。
今まで簡単にできていた業務も時間がかかってしまう自分に対して。
やらなければならないことにすぐ取り組めない自分に対して。

自責の念が積み重なっていくと、だんだんと自分に直接非がないことにも、「自分のせいだ」と感じるようになってしまいます。

例えば私の場合、上司や同僚が忙しそうにしているのを見て、「自分が仕事ができていないから、みんな苦しんでいるんだ」と思うようになったり、家族や職場のにとの機嫌が悪いと、「自分がいるから不快な思いをしているんだ」と、自分の存在自体を否定するようになってしまいました。

涙もろくなる

これはだいぶうつが進行した状態なのかと思いますが、ふとした瞬間に涙があふれて止まらなくなることがあります。

私の場合、ほとんどが通勤途中の車で1人泣いていたのですが、家と職場でも3回ほど号泣しました。

そのときはこの後でもお話しするのですが、「死にたい、消えてなくなりたい」という思いとともに
涙があふれ出るといった状況でした。

死にたい、消えてなくなりたいと考える

最後は、書くこともはばかられる内容になるのですが、自責の念がつもりに積もって、最終的には「死にたい、消えてなくなりたい」と思うようになってしまいます

私の場合は、不安な思いや「自分なんて」という思いが強くなりすぎて、また、何も楽しい幸せだと感じられなくなってしまって、将来永遠にこの状態が続くのかという絶望とともに「死にたい、消えてなくなりたい」と考えてしまっていました。

実際に自殺をする計画を立てたことはないのですが、
・家から飛び出してとにかく遠くへ消えようとしたこと
・商業施設の2階から、ここから落ちたら死ねるかなと下をのぞきこんだこと
以上2つの状態になったことはあります。

1つ目は妻に止められ、2つ目はこの高さでは死ねないし他人に迷惑をかけるなと思うことができ、踏みとどめることができました。

私は、以上のような状態が続いてしまうといつか本当に死んでしまうのではないかという不安から、病院を受診し、「うつ病」と診断されたのでした。

まとめ

おおよそこのような症状が、私がうつ病となり体験した状態です。
私はこのような症状が、程度の差はあれ、約半年間続きました。

うつ病は、心の病気で目に見えるものではなく、また人それぞれ症状の種類や度合いが異なるため、うつ病だったとしても私と同じような経験をしている人もいれば、種類も度合いも違う方もいるかと思います。

ただ私が今回最も言いたいことは、うつ病の自覚はないけど、生きていることがしんどいと感じている人で、私が記した経験と似た経験をしている人がいれば、すぐに身近な人に相談するか、病院を受診していただくことをおすすめします

今のあなたは決して「弱い」わけではありません。生きるエネルギーが欠乏しているだけなのです。
エネルギーが回復するまで十分に休んでください。
十分に休まなければ、状況が改善することはありません。

私のこの経験が、1人でも多くの人の「気づき」になってくれると幸いです。

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