実体験から語る「うつ病発症の原因」

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私は、うつ病の原因は1つや2つではなく、複数の要因が重なりあって発症する精神疾患だと思います。
その中でも、うつ病の原因は大きく分けて「内的要因」と「外的要因」の2つに分類されると考えます。

「内的要因」は、元々自分が持っている性格。
「外的要因」は、人間関係やライフステージの変化。

ここでは、私が実際にうつ病になった原因を紹介します。
今しんどい思いをしているけど何が原因かわからないという方は、ぜひ私の経験を参考にしてみてください。

【内的要因】 役割主義と責任感

役割主義と責任感。わかりにくい言葉ですが、私の中には以下の考えがあります。

「”いい夫として” “いい父親として” “いい部下として” “いい同僚として” こうしなければならない。」
自分の与えられた役割の中で、この役割ではこのように行動しなければならないという使命感、責任感が強く湧くのです。

一見悪くないように思える性格で、自分の中でも今までどちらかというと長所だと捉えていました。
しかしこの性格の裏には、「自分はこうしたい」という感情が押し殺されてしまっていたのです。

例えば、連日の仕事疲れでゆっくり休みたい休日でも、「妻のため、子どものために外にお出かけしなければならない」と考えて出かける。
実際に妻と子どもから出かけたいと言われたわけでもないのにです。

また、職場で自分が抱えている仕事が多く、まずは自分の仕事を片付けたい状況でも、「上司のため、同僚のために率先して仕事を引き受けなければならない」と考えて
より多くの仕事を引き受けてしまう。
上司と同僚からそこまでしなくてもいいと思われていたのにです。

このように「自分のしたい」を押し殺して、自分の役割に対する責任感で行動することによって、自分で自分を苦しめてしまっていたのです。

【内的要因】 他己評価の重視

他己評価の重視。これは先ほどの役割主義につながることでもあるのですが、他人の評価を気にして行動してしまうということです。

これは、自己肯定感が低いことが原因です。

自分の性格や行動に自信が持てず、自分で自分を褒めることができないため、他人に尽くして認められることで、自分の存在意義を実感しているのです。

そのため、他人から否定的な言動や態度を感じてしまうと、自分の存在意義が揺らいでしまうため、必要以上に動揺してしまいます。

妻の求めていることができておらず、指摘される。
よかれと思ってすすめていた案件が、上司の意にそぐわず怒られる。

これらのように自分に非がなかった場合でも、相手の評価が落ちたと感じると動揺し、ひどく落ち込んでしまうのです。

また、そのような状況にならないためにも常日頃他人の顔色をうかがっています。
そのため、他人と過ごしている時間は知らず知らずのうちに神経をすり減らしてしまっていたのでした。

【内的要因】 完璧主義

完璧主義。それだけ聞くと悪い性格ではないように思えますが、実際は自分の首を絞めてしまうような性格なのです。

私の完璧主義的特徴は、以下の6点です。

  • 理想が高い
  • 妥協ができない
  • 1~10まで自分でやらないと気が済まない
  • 失敗したくないから挑戦しない
  • 自己評価が厳しい
  • 頑固

理想が高く、妥協ができないから、すべて自分でやらないと気が済まない。
自己評価が厳しいため、なかなか100点の結果を出せない。
100点の結果が出せないから、新しいことに踏み出せない。
いざ新しいことに踏み出すと、100点のできではないことに大きく挫折する。
そうして、自分は何もできないやつだと頑固に思い込み落ち込む。

実にめんどくさい人間です。

これを繰り返していくことで、精神的に疲弊してしまったのです。

【外的要因】 慣れない育児

私には、1歳になる息子が1人いるのですが、この「家族に子どもが増える」という環境の変化も、うつになった要因なのかなと思います。

子どもが生まれたての時は、子どもはすべて受け身であるため、ある程度自分のペースで育児ができていました。

それが成長するにつれて、食べ物は母乳から離乳食へ、寝たきりだったのがずり這い、ハイハイ、つかまり立ち、よちよち歩きへと変わり、してあげること、見ておかなければならない時間がどんどん増えていきます。

決して育児が嫌だと思ったことはないですし、子どものせいで自分がうつになったと考えているわけではありません。

ただ、このように子どもの成長によって育児に割く時間が増えたことで、自分を見つめる暇がなく、本当は疲弊しているのに気づかないまま頑張りすぎてしまっていたのかなと思います。

【外的要因】 新しい職場と仕事

転勤族会社員の私は、昨年異動により新しい職場と新しい職種を担当するようになりました。

仕事内容も初めてやることばかりな上、人間関係も一から構築しなければならない環境で、多くのエネルギーを使いました。

人間関係も構築でき、仕事も一通り慣れはしたのですが、決定的に仕事の進め方や、職場内のルールになじめませんでした。

具体的には、以下の3点です。

  • 上司に絶対的な決定権があり、上司のOKがでないと仕事が進まないのだが、その上司の意見がコロコロ変わってしまうこと。
  • チームプレーを重視するあまり自分のペースで仕事ができないこと。
  • 自社の利益を重視するあまり、取引先など外部の人への思いやりがかけていること。

細かいことはまだまだあるのですが、おおよそこのような点がなじめなかったことと、自分の基からの性格、休息のとれない環境などが相まって、私はうつ病になったのでした。

まとめ

うつ病を治していくには、まずは原因がわからないことには始まりません。
うつ病の原因は1つだけではないことがほとんどです。

原因を探るときは、まず自分の内面である「内的要因」と、自分の置かれている環境である「外的要因」に分けて考えてみましょう。
そうすることで、より解決策も見つけやすくなるはずです。

自分でなかなか見つけられないようであれば、周囲の人に聞いてみるのも1つの手です。

私のこの体験が、少しでもあなたの苦しみから解放される手助けになれると幸いです。

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