どうも、ニシタクです。
今日は、瞬時に言語化できる人になるために、荒木俊哉さんの『瞬時に「言語化できる人」が、うまくいく。』を読みました。
私は、この本を読むまで、以下のような悩みを抱えていました。
- 頭の中がモヤモヤしているけど、うまく言語化できない。
- 薄っぺらい言葉しか出てこず、説得力がない。
- 言語化できないから、自分は「意見のない人間」だと感じる。
このような悩みを解決するために何をすべきかわからなかったのですが、この本がそれを解決してくれました。
同じような悩みを抱えている人には、ぜひ、読んでもらいたいです。
それでは、この本の簡単な紹介と、私がこの本を読んで大事だなと思った点をアウトプットしていきたいと思います。
本の紹介
本書では、言語化することの大切さを説明した上で、言語化力を磨くメソッドを紹介されています。
そのメソッドとは、「頭に思いついたもの」をA4用紙1枚の「メモ」に次々と書いていくだけの非常にシンプルなトレーニングをすること。
言語化力トレーニングについて、本書では以下の5つのチャプターに分けて説明されています。
- 人は「伝え方」より「言語化力」で評価される
- どうしたら「言語化」できるようになるのか?
- 瞬時に「言語化」できるようになるシンプルなトレーニング
- 瞬時に「言語化」できるようになるシンプルなトレーニング(実践編)
- もっと「言語化」できるようになる方法(発展編)
また、本書は「これはどういうことだろう」「これはどうすればいいんだろう」という読者の疑問に先回りして答えてくれていて、ものすごく読者に寄り添って書かれている印象です。
さらに、トレーニングの演習問題もあり、この本の中で、学んで、練習して、理解する、ということができるようになっております。
ただし、この本は瞬時に言語化できるようにするトレーニング方法について解説されたものであり、「この本を読んだからすぐに言語化できるようになる!」というものではないので、その点は注意して読んでいただきたいなと思います。
私がこの本から学んだことは、言語化できるようになるためには「メモ書き」トレーニングをするということ。
この「メモ書き」トレーニングについて、以下の3つの流れで紹介していきます。
- なぜ「メモ書き」をするのか(理由)
- どのように「メモ書き」をするのか(方法)
- 何を「メモ書き」するのか(内容)
なぜ「メモ書き」をするのか(理由)
ではまず、なぜ「メモ書き」することで言語化できるようになるのでしょうか。
それは、「メモ書き」が頭の中の”曖昧なイメージ”を強制的に言葉にする行為だからです。
頭の中の”曖昧なイメージ”
人は常に「何か」を感じて生きていますが、大抵その「何か」には気づいていません。
人が感じた「何か」は、そのほとんどが無言語の状態で頭の奥にそっと記憶されていき、そのまま無意識下に放置されているのです。
例えば、みなさんは一度は恋人や結婚相手からこんな質問をされた経験があるのではないでしょうか。
「私の(僕の)どこが好き?」
言語化が苦手な私は、昔からこの質問には悩まされていました・・・。
好きであることは間違いないのですが、それがどんなふうに、どういうところが好きなのか上手く言語化できないのです。
そのため、そのような質問をされた時は「好きなものは好きなんだよ」といつもはぐらかしていました…。
これも、実際にはその人と過ごしている中で、どんなふうに、どういうところが好きなのか感じているはずなのですが、それが無言語のまま無意識下に置かれてしまっているため、口から出てくるのは漠然と「好き」という言葉だけになってしまっていたのです。
このように無言語のまま無意識下に置かれた”曖昧なイメージ”を、強制的に言語化する行為が、
「メモ書き」なのです。
「メモ書き」が言語化につながる仕組み
では、「メモ書き」はどのようにして言語化につながるのでしょうか。
本書では、「書き出すことで言語化力が磨かれる脳の仕組み」を、以下のように仮説立てして説明されています。
①「思い」のほとんどは頭の中で言語化されていない
先ほど説明した、感じた「思い」が無限後のまま無意識下に置かれている状態です。
②頭の中にあるほんの一部の「言葉」を、まずは書き出してみる
無意識に感じていたさまざまな「思いや意見」の中で、ほんの一部だけ「言葉」になっているものを、まずは書き出してみます。
自分の思いや意見を、自分の脳からいったん切り離して、客観的に眺めてみるようなイメージ。
③書き出された「言葉」がトリガーとなり、「無意識の思い」が言語化される
一度書き出した言葉をきっかけに、そのときに具体的にどう感じたのか、なぜ自分がそう感じたのかなどが、まるで連想ゲームのように自然と言語化されていきます。
④言語化された「無意識の思い」をさらに書き出す
③で脳内で言語化された「思いや意見」を、再び書き出していきます。
これを繰り返すことで、自分が無意識に感じていたことの言語化が芋づる式に進んでいきます。
⑤追加で書き出された「言葉」が再度トリガーとなる
そうやって、自分が無意識に感じていた「思いや意見」が「言葉」として書き出されることで、再認識することができます。
⑥「思い」が言葉の状態で大量にストックされる
そうすることで、脳内には、無意識に感じていたことが「言葉」の状態であらためてストックされていきます。
この状態になれば、何か質問をされたときに、すっとストックされていた「言葉」がでるようになるのです。
以上のような仕組みで、「メモ書き」が言語化につながっていくのです。
どのように「メモ書き」をするのか(方法)
では、言語化力を磨くためには、どのように「メモ書き」トレーニングをすれば良いのでしょうか。
瞬時に言語化できるようになる「メモの書き方」
本書では、「メモ書き」トレーニングについて、以下の6つのステップで解説されています。
①A4コピー用紙を「縦に」使用する
A4サイズにする理由は、無意識に感じたことを言葉にする範囲を広く持つため。
コピー用紙にする理由は、いいことを書かなくてはというプレッシャーをなくすため。
「縦に」使用する理由は、後のステップの「問い」「思考」「理由」を順に書き出していくため。
②1番上に「問い」を大きく書いて四角で囲む
「問い」を目立たせることで、今何について言語化しようとしているのか見失わないようにします。
そうすることで、ついつい脇道にそれて別のことを考えてしまうことを防ぎます。
また、「問い」は1枚につき1つだけにします。色々な問いがあると気が散って、思考が深まらないからです。
③メモを2分割して「思考」と「理由」に分ける
「思考」だけではなく、その思考に至った「理由」まで書き出すことで、自分でも知らなかった「思いや意見」に気づくことができます。
④まずは思い浮かんだことを1行書いてみる
トレーニングなので、書き出す言葉に正解・不正解はありません。
とにかく思い浮かんだ言葉をそのまま書き出してみます。
⑤1行書いたことを深掘りする「芋づる式言語化思考法」
④でかいた言葉に対して、「それって、どういうこと?」と自分に疑問を投げかけて、その答えをさらに書き出します。
これを繰り返していくことで、言葉の解像度をあげていきます。
⑥「思考」の最終行から「理由」を書き出す
⑤のステップで最終的にたどり着いた「思考」を丸で囲み、それに対して、「なぜ自分はそう思ったのか・感じたのか」を書き出します。
「理由」までしっかりと言葉にできることで、説得力が増すのです。
この6つのステップからなるトレーニングを、1枚につき制限時間2分、1日3枚行います。
制限時間がないと「あーでもない、こーでもない」と考えてしまい、いつまでたっても書き出せない、ということが起こってしまいます。
そのため、短い制限時間を設けることで、集中力を高めて取り組むことがでるのです。
トレーニングは至ってシンプルかつ短時間でできます。
しかし、これを続けて行うことが大切です。
このトレーニングを毎日積み重ね、習慣化することで、言語化力に磨きをかけることができるのです。
言葉の解像度を高める方法
言語化力は、言葉の解像度を高めれば高めるほど磨きがかかります。
言葉の解像度を高める方法は、主に3つあります。
①「同じ問い」や「言語化した思い」をさらに深掘りする
ひとつの「問い」に対して、2分で書き出すのが基本的なトレーニング法でしたが、「同じ問い」に別の日に再度取り組むことで、深掘りをすることができます。
最低でも5回ほど深掘りを繰り返せば、言葉の解像度が高い状態でストックされ、どんなときでも瞬時に言葉にできるようになります。
②同じ問いに「別角度」で取り組む
同じ問いを深掘りする際、考える方向を次々に変えることも有効です。
2度目、3度目と深掘りするときは、「それまで考えなかった方向はないか」と意識する。
そうすることで、自分の中にストックされていく言語化された「思いや意見」、その「理由」の厚みが一気に増します。
③あえて「反対意見」を考える
自分が言語化した「思いや意見」に対して、反対意見を出してみるのも一つの手です。
自分の「意見や思い」を無理矢理否定しようと思考を巡らせると、最初の時には思いもよらなかった意見を自分が持っていたことに気づくことができるのです。
このように「問い」に対する「思いや意見」を、反復して深掘りし、また、多方向から考えるよう意識することで、言葉の解像度を高めていくことができるのです。
何を「メモ書き」するのか(内容)
私は、このトレーニング方法は意外と簡単だなと感じた反面、「何を書き出していいかわからなくなりそう」という不安も感じました。
本書は、その不安もしっかりと解決してくれます。
言語化におけるとっかかりは、「自分の経験を思い出す」こと
メモを書き出していく内に、「何を書いていいかわからない」という壁にぶつかったら、「自分の経験を思い出す」という意識を持つことが大切です。
問いに対して、自分の経験を当てはめて考えてみる。
そのためには、記憶の引き出しを開けていかなければならないのですが、その作業こそが、自分の中にモヤモヤと眠っていた経験を言語化する作業そのものなのです。
自分の「経験」とは
言語化におけるとっかかりが、自分の「経験」であることはわかったのですが、そもそも自分の「経験」とは何でしょうか。
「経験」は、「できごと」と「感じたこと」という2つの要素で構成されたものです。
「できごと」は、まさに過去に体験した事実や事柄そのもの。
「感じたこと」は、過去に体験した事実や事柄を通じて自分が感じたこと。
「自分の経験を思い出す」というと、「できごと」のみ考えてしまいがちですが、その「できごと」を通じて、自分が「感じたこと」は何だったのか、そこまで思いを巡らせることが重要です。
しかし、「できごと」とは違いそのとき「感じたこと」を思い出すことは、意外と苦労します。
そこで、「感じたこと」を思い出すためのきっかけとなるのが、「感情」です。
私たちは生活している中で、自分の中に無数の感情が生まれています。
過去のできごとの中で、ふと感情が生まれた瞬間はなかったか、感情にフォーカスすることで、「感じたこと」を思い出すきっかけとなるのです。
つまり、「自分の経験を思い出す」ことは、過去の「できごと」とそのときの「感情」を思い出し、そこから自分の「感じたこと」を結びつけていく作業なのです。
書くことに詰まってしまったら、この作業を行い、洗い出した「経験」を言語化していきます。
また、何の問いで考えればいいか悩んだときは、本書の巻末で、問いの例が500個掲載されているので、参考にしてみてください。
まとめ
瞬時に言語化できる人になるためには、「メモ書き」トレーニングが有効であること。
「メモ書き」は、A4コピー用紙に縦書きで、1枚あたり2分の制限時間を設けること。
書くことに詰まったら、自分の経験を思い出すこと。
言語化力は一朝一夕で身につくものではありません。
トレーニングを習慣化し、継続していくことが大切です。
本書を読んで、私が今後実践していく具体的行動は、ずばり、1枚あたり2分の制限時間で1日3枚、A4コピー用紙に縦書きで、「問い」に対する「思考」と「理由」を書きまくる!ということです。
瞬時に言語化できる人になるために、一緒にトレーニングがんばりましょう!
タイトル:『瞬時に「言語化できる人」がうまくいく。』
著者:荒木 俊哉
発行所:SBクリエイティブ株式会社
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